どちらも「...モチ」の名前を頂いているが、モチノキ科でなくモクセイ科である。その証拠に花の形が全く異なる。葉の形の類似からこのような名前になったのであろう。もちろん、ネズミモチとトウネズミモチの花は似ているので、どのように区別できるか、考えてみよう。 最上段の写真は「モチノキ」の花である。次の写真でネズミモチとトウネズミモチの花を示してある。どちらも2本の雄しべが突き出た白い花で似ているが、よく見てみると、花冠筒の長さと雄しべの突き出す角度が異なっている。ネズミモチは花冠筒が長く、雄しべは真っ直ぐに狭い角度で突きだしている。また、雄しべの葯は互いに向き合っている(内向葯という)。咲いている様子を見ると、トウネズミモチの花序はネズミモチに比べて大きく、盛大に見える。 次に葉を見てみよう。ネズミモチの葉はかなり分厚いので、葉脈がはっきりしない。陽に透かしてみると、ネズミモチでは葉脈が殆ど見えないが、トウネズミモチでは綺麗に筋が見える。 ネズミモチはjaponicumの学名から解るように日本の固有種であるが、トウネズミモチは「唐」すなわち中国原産である。 |