ムクロジの実 (2001.8.11、2004.12.6(梅本さん)、2004.12.11(土谷さん)、2006.1.20(村松さん))


 ムクロジの花は目立たないが、秋の黄葉は実に美しい。そして、黄葉の頃に茶色に熟した実を見付けることが出来る。この実が、とても面白いし、役に立つ。
 セッケンノキと呼ばれる木は幾つかあるが、このムクロジとエゴノキも別名をセッケンノキという。どちらも実には沢山のサポニンが含まれており、その界面活性作用で泡立つのである。夏には緑だった実が、11月頃になると茶色になり、葉が落ちたあとも写真のように沢山の実が残る。落下したものは乾燥して、2枚目の写真のように、中が透けて見えるようになる。この実の果皮を水に浸けてこすると、石鹸のように泡だって、汚れを落とすことが出来る。界面活性作用を持ったサポニンは魚にとっては毒となるので、昔はエゴノキなどのサポニンを水に流して魚を捕ったと言われる。
 果皮を剥くと、中から黒い種子が現れるが、これは堅くて光沢があるために、羽根突きの羽根の玉や、数珠玉として使われる。梅本さんが上手に数珠を作られた写真も載せてある。
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 ムクロジの巨木として多聞寺のムクロジが有名であるが、その多聞寺で村松さんが写された1月のムクロジの実と、中の種子の写真、そして実の皮が泡立つのを上手に示した写真を送っていただいた。最下段に示してある。以下は村松さんのメールの一節である。
 「ムクロジの実です。実物はもっと黄色です。この殻(果皮)の中に黒い種(右)が1個入っています。殻はセルロイドのような感じです。黒い種は羽子板の羽根に使われるそうです。...果皮にサポニンを含み、昔は石鹸がわりに使ったのだそうです。そこで、私も実験をしてみました。写真左は水に果皮を入れて、20回ふったもの 右は種で同様に試したもの。確かに、果皮の方はよく泡立ちました。洗剤として使えますね。」

1月のムクロジの実−多聞寺で村松さん撮影


12月、落下して乾燥したムクロジの実−土谷さん


果皮をこすると石鹸のようによく泡立つ−梅本さん


果皮を剥くと黒い種子が出てくる−梅本さん


種子で作った数珠−梅本さん


村松さん撮影のムクロジの実と黒い種子


果皮と種子で、泡立ちの違いを比べた写真(村松さん)


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