ラン科の高山植物はなかなか美しい。テガタチドリは、ハクサンチドリ、ノビネチドリと並んで、赤いラン科の花の代表である。初めて見たのは立山だったが、その後、八方尾根や池の平湿原でも出会った。いずれも、1900mの高山である。背の高いものは50cmにもなって沢山の花を塔状に付ける。テガタの由来は花の形かと思っていたら、地中の多肉根が手の形をしているためであるらしい。葉は互生し、ラン類特有のやや広い線形をしている。花は非対称で3中裂した唇弁を持ち、距は長く垂れる。花期は7-8月である。 学名は Gymnadenia conopseaで、ラン科テガタチドリ属の多年草である。北海道および中部地方以北の深山、高山に生える。別名をチドリソウとも言う。 |