中部地方以北の高山で必ず目にする植物で、群生して白い花をいっぱいに付ける。湿原には特に多く見られ、栂池自然園に行くと先ず入口の木道の周りで出迎えてくれる。鬼シモツケと言うだけあって、5裂した大型の葉は鬼の手のひらのようで、各先端は鋭く尖っており重鋸歯がある。托葉は茎を抱いている。背も高く、大きいものは2mにも達する。 花期は6−8月で長い。6月初め頃は、やや褐色がかった蕾であるが、やがて白くなり、5-8mmの花を開く。散房花序に無数の花が集まる。花弁は5個で、雄蘂が長く特徴的である。栂池自然園では8月中頃でも咲いている。 学名は Filipendula kamtschaticaで、バラ科シモツケソウ属の多年草である。中部地方以北の山地に生え、関東以西に生えるシモツケソウと分布を二分する北方種である。kamtschaticaはカムチャッカ地方のこと。 |