コバイケイソウ−小梅尅 (2009.7.15、2010.8.2、栂池自然園)
 Veratrum stamineum


 栂池自然園は1900mもの高度を持つ湿原であるが、ロープウエーとゴンドラリフトを使って、誰でも容易にアクセスでき、高山の植物を楽しめる。例年、7月中旬から下旬にかけては、この湿原が広くコバイケイソウの花で覆われる。コバイケイソウの花は高さ1mほどの分岐した花軸にびっしりと白い6弁の花を付けるので、小塔が湿原のあちこちに立ち上がったように見える。大型の緑の葉の間から沢山の白い花が突き出るさまは見事である。6弁に見えるのは実は花被片で、下の写真のように、花の雄蘂は花被片より長く突き出てよく目立つ。
 似た花にバイケイソウがあるが、花軸の分岐が多く、主軸に付く花の数も少ないので、分厚い塔のように見えるコバイケイソウとは区別できる。また、雄蘂の長さも花被片よりかなり短い。
 学名はVeratrum stamineumで、ユリ科シュロソウ属の多年草である。北海道・本州中部以北の高山の湿地に生育する。

栂池自然園で(2009.7.15)




  少し花を拡大


  もう少し拡大、雄蘂は花被片より長く、良く見える


  7月でも場所によってはまだ蕾


  7月中−下旬は満開


  8月になると、一部の花は枯れてくる


  8月終わりには種が出来始める


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