カントゥータはペルーの国花である。赤と黄色の2種類がよく見られる。この花にはペルーの統一にまつわる次のような伝承がある。昔、IllimaniとIllampuという二人の王がおり、勢力が均衡し、争いが絶えなかった。父王の死後息子達も憎しみあって戦いを繰り返したが、最後の戦いで互いに瀕死の重傷を負った。二人は戦うことの愚かさに気付き、互いに手を取り合って涙を流しながら亡くなった。この時、統一の象徴のようにカントゥータの赤と黄色の花が一斉に咲いたと言われる。 クスコでは特に、あちこちでカントゥータの花を見かける。写真の花は、大聖堂のあるクスコの中心、アルマス広場で写したものである。4mほどになる常緑低木で、2500m−4000mの高地に育つ。インカ時代には太陽神Intiに奉納され、人々は、陶器・織物・花瓶などにこの花を描いている。現在でも、花は葬儀に使われ、葉は黄色の染料に、枝は籠を編むのに使われている。 学名はCantua buxifoliaまたはCantuta buxifoliaで、Polemonia(ハナシノブ)科Cantua属の常緑低木である。南アメリカ原産。 |