千葉県最大の巨木「清澄の大杉」は9年ぶりの登場である。田中さんと小森さんから写真を送っていただいて以来、是非訪れたいと何度も機会を狙ったが、東京から房総半島東海岸は遠すぎて、出張の足を伸ばすことが出来なかった。今回、千葉大の西川先生ご親戚の「巨木探勝グループの旅」に参加させていただいて、ようやく思いを叶えることが出来た。車で行くと、千葉県第2の巨木「環の大楠」も比較的近くにあるので、千葉県の1位・2位の巨木を一挙に見るという豪勢な旅となった。 清澄寺の山門に着くと、門を通して「清澄の大杉」の巨大な幹が拝めるという好位置に大杉が立っている。門をくぐると、前方にその巨大な全体像が姿を現わす。遠くからしばらく眺めたい気持ちと、早く近づいて巨幹に圧倒されたい思いが葛藤する。遠くから何度かシャッターを切り、ゆっくりと近づいた。 樹高47m、目通り幹周15.05mは、文句無しに千葉県最大の巨木であり、大正13年に国の天然記念物に指定されている。地元では樹齢1000年と伝承され「千年杉」とも呼ばれる。中は空洞であると書いてあるが、樹勢は衰えが無く、老化を感じさせない。全国のスギの中では幹周第4位に当たるが、スックリと立つ、杉としての美しさは、「縄文杉」や「杉の大杉」、「石徹白の杉」を凌駕している。 大杉の南側の枝はそぎ落とされたように無くなっているが、これは昭和29年の台風の際に、隣接していた杉の巨木が倒れてきて、そぎ取られたとのことである。しかし、樹木医による補強が成されて、木全体としての美しさは損なわれていない。 電車で行くには、JR外房線の安房天津より清澄温泉行きのバスに乗って清澄寺で降りる。清澄寺は、771年に天台宗の寺として開かれたが、今は日蓮宗の寺であり、日蓮上人が日蓮宗を開いた寺として有名である。 |