北海道で4番目にご紹介する木は、お馴染みの西村さんから送っていただいた、「幌呂開拓記念樹のミズナラ」です。いつもながらの素敵な画像です。この木は、全国でも15位以内に入る巨木で、以下は西村さんによる解説です。 *********************************************************** 釧路市の北30Km、鶴居村役場から西へなだらかな山地を一つ越えると中幌呂(なかほろろ)という農村に出る。山間の大きな平地です。中幌呂の隣が支幌呂です。その牧草地のそばのカラマツ林の一角にミズナラの巨木が佇んでいます。北海道で2番目のミズナラです。 文献によると、推定樹齢500年、幹周り670cm、樹高20m、幌呂開拓記念樹、松井一郎氏所有、根方に置かれた標板には「幌呂開拓記念樹、昭和53年11月、幌呂開拓60周年記念協賛会」とある。大正7,8年頃に開拓民が入植したものと思われます。今は酪農を中心とした近代経営が行われていますが、当時は一面の原始林で、ミズナラを始めとする巨木も多かったのでしょう。しかしその殆どは切り倒され、何かの偶然で生き延びたのがこの巨木と思われます。 木の周囲には囲いの鉄柱が数mおきに打ち込まれ、その内側は所有者の心遣いでしょう、笹や蕗などの下草は刈り取られています。枝も葉も多く出ていて樹勢は盛んですが、折れた跡や枯れた枝なども散見します。木の北西側が開けて牧草地に面し、東側がカラマツ林です。写真の右奥に飼料の大きなサイロが見られます。原始林の中で芽を出し、鹿や熊の足音の中で育ち、幾多の暴風や洪水や吹雪にも耐えてきて、開拓者の苦労も全て見てきたであろう巨木です。かなり年老いたとはいえ、まだまだ元気に生き抜いて欲しいものです。 公共交通機関はよくわかりませんが、中幌呂は小学校、中学校のほかに保育園もあり、上下水道完備の豊かな集落です。鶴居村役場経由のバス、釧路直行のバスがあるようです。 *********************************************************** なお、西村さんは、「この木は北海道全樹種中9位(カツラを除くと7位)で、ミズナラとしては蘭越のミズナラと並んで2位の巨樹です。道東は巨樹が少なく、貴重な存在です。」とも書いておられます。 釧路からは、阿寒バスの釧路鶴居弟子屈線で鶴居方面に行くことが出来ますが、釧路駅からは1日8本しかなく、時間帯も偏っているようです。 |