大学時代の研究室の先輩である奥山先生から、東福寺に大きなイブキの木があったと写真を送っていただいた。奇遇なことに、その研究室の同輩の松村さんからも10年以上前に同じ木の写真を送っていただきながら、そのままになっていた。実は私も松村さんの写した木を見ようとその翌年に出かけて写している。 さて、東福寺というと秋の紅葉が有名である。寺の中を流れる川を跨いで「通天橋」があり、ここから見るもみじの紅葉は、毎年秋のテレビで採り上げられる。東福寺は京都五山の一つで、鎌倉時代の摂政関白藤原道家によって1236年から19年をかけて建立された。本殿は京で最大の大きさを誇ったが明治14年に焼失し現在のものは昭和の建造である。延焼を免れた三門は室町時代の建造物で、国宝である。その三門と本殿の間に大きなイブキが育っているが、明治の大火の影響で仏殿側がかなり切り込まれている。以下は松村さんの解説である。 「東福寺の国宝三門と仏殿の間、仏殿寄りに京都市指定天然記念物であるイブキがある。樹高16.5m、幹周り3.36mで枝張りは東西10.5m、南北8mである。安永9年(1789年)刊行の 「都名所図会」に「唐木」として描かれており江戸時代に既に古木として知られていた。」 東福寺に行くには市バスを使うのは最も便利で、京都駅前から208番に乗って東福寺で降りると良い。JR奈良線あるいは京阪電鉄の東福寺で降りても良い。 |